著者
増子 〓
出版者
腐食防食協会
雑誌
材料と環境 : zairyo-to-kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.395-398, 2007-09-15
著者
林 重成 成田 敏夫
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
材料と環境 : zairyo-to-kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.476-482, 2006-11-15
参考文献数
40
被引用文献数
2

近年の熱交換システムでは, 熱効率向上を目的とした運転温度の上昇が求められており, 耐熱材料にはより高温での使用が要求されている。高温対応型の耐熱材料設計の自由度を上げるため, 合金上への耐酸化コーティングの適用は必要不可避となっており, コーティングの重要性はますます増加している。本解説では, 著者らの最近の研究成果を紹介しながら, 次世代の耐酸化コーティングについて議論する。
著者
善 一章
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
材料と環境 : zairyo-to-kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.448-451, 2010-12-15
参考文献数
7
被引用文献数
4

キャッシュフローは,案評価をするための基礎を形成するので工学経済において重要である.現在価値法は,全ての将来キャッシュフローを現在のドルに変換するので一般的であり,他の案と比べて優れる1案の経済的有利な点を容易に決定する.現在価値は,PW=FW(1+r)<sup>-N</sup>式から求められる;ここで,PW:現在価値,FW:将来価値,r:減価率,N:複利期間.係数 (1+r)<sup>-N</sup>は現在価値係数として知られる.もし減価率がr%でPW,FW,AWに対して一定ならば,3者は等価である.従って,プロジェクトのAW値とFW値は等価のPW値から容易に求められる.<br>本報では,異なる減価係数における現在価値係数の経時変化,PW値からFW値とAW値の等価計算例,PW法の港湾構造物への適用例を示す.
著者
京 将司 中森 正治 黒川 一哉 成田 敏夫
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
材料と環境 : zairyo-to-kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.456-463, 2010-12-15
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

近年,大容量化する微粉炭燃焼ボイラにおいては,より一層の環境対策が求められ,NOx発生量を抑制する設備対策ならびに運用面での低酸素燃焼運転がなされている.その結果,燃焼室では,酸素不足による強い還元性雰囲気となり,H<sub>2</sub>Sによる高温硫化腐食が顕在化している.それに加え,スラグの除去を目的とするデスラッガからの蒸気噴射の影響により摩耗損傷を与え,それらが複合的に作用して損傷が加速する事象が認められた.調査したボイラでの損傷挙動は,ボイラ蒸発管の表面に生成した腐食生成物は,酸化物と硫化物の混在した層と溝状腐食が認められた.これらは,ボイラ燃焼過程における燃焼状態の変化で,わずかな酸素および硫黄分圧の変化により酸化物および硫化物が生成する可能性が熱力学的にFe-S-O系平衡状態図より示唆できた.また,ボイラの運転に伴う,繰り返し熱応力とデスラッガ蒸気の間欠噴射によるメタル/蒸気の温度差により,スケール層が局部的に冷却され,圧縮応力によるクラックが生じ,スケール層の剥離ならびにガス通路が形成される.そのため,基材への腐食性ガスの侵入が容易になり,腐食を進行させ,局部的に加速したものと推定した.
著者
伊藤 公夫 若井 暁 鶴丸 博人 飯野 隆夫 森 浩二 内山 拓 三木 理 原山 重明
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
材料と環境 : zairyo-to-kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.402-410, 2011-09-15
被引用文献数
1 4

嫌気性条件(N<sub>2</sub>(80%)+CO<sub>2</sub>(20%))の海水培地において,金属鉄を電子供与体として,CO<sub>2</sub>を電子受容体かつ炭素源として利用可能なMPAは,純鉄試験片を腐食した.主要な腐食生成物はFeCO<sub>3</sub>であった.このMPAが,同様に金属鉄を電子供与体として利用可能なSRBと共存することで,MPA単独の場合よりも腐食が約2.3倍促進されることが明らかになった.MPAとSRBが共存する場合の腐食生成物も,MPA単独による腐食生成物と同様にFeCO<sub>3</sub>であった.<br>また,嫌気性条件(N<sub>2</sub>(80%)+CO<sub>2</sub>(20%))での腐食速度と,引き続く好気性条件(空気下)での腐食速度を比較した結果,MPA単独,あるいは,MPAとSRBが共存する場合の腐食速度は,嫌気性条件(N<sub>2</sub>(80%)+CO<sub>2</sub>(20%))の方が高い値となった.<br>本研究で腐食試験に使用したMPAとSRBは同一の原油タンクのスラッジから単離されたものである.油井など高濃度のCO<sub>2</sub>とCl<sup>−</sup>が存在する実際の嫌気性腐食環境においては,金属鉄を電子供与体として,CO<sub>2</sub>を電子受容体や炭素源として利用可能なMPAと同じく金属鉄を電子供与体として利用可能なSRBが共存している可能性も想定される.したがって,金属鉄を電子供与体として利用可能なMPAとSRBの共存による微生物腐食に対しても留意すべきと考えられる.